赤司とはいろんなことがあった。
けど、今具体的なことは何一つ思い出せないぐらい、緊張している。
その理由は、二人で同じベッドの上にいるから。……つまりは、そういうことだ。

それなのに、赤司はいつもと変わらない。澄ました表情でベッドの端に腰かけ、こっちを見ている。
……俺なんか、さっきからずっと正座してんのに!!


「少しリラックスしたらどうだ?」


見かねた赤司が、どこか呆れたように笑う。
けど、俺は……。


「だ、大丈夫! 俺、頑張って……気持ち良くしてやるからっ!!」


そう言うのがやっとだった。
だけど、赤司は更に呆れた表情になる。


「それは、一体どういう意味だ?」
「だ、だって……赤司の方が、綺麗な顔つきだし。俺なんかで、その……た、勃つとは思えな……って、うわっ!!」


言いかけている途中で、赤司は俺を力尽くで押し倒す。
部屋の天井と共に見える赤司の顔は、決して機嫌の良い時のものではなかった。


「全く……。君はわかっていない」
「い、いや! 別に! 赤司の方が女っぽいとか、力が弱そうとか、そういう意味で言ったわけじゃなくて!!」
「わかっている。そんな理由で怒ってるんじゃない」
「へ……?」


必死の弁明虚しく、あっさりと否定されてしまった俺は、間抜けな声しか返せなかった。


「君は自分の魅力をわかっていなさすぎる」
「俺に……魅力??」
「……もういいよ。わからないなら、わからせるまでだ」
「えっ!? ちょ、待……!!!」


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「――……っはぁ、はぁ、はぁ」
「これで、わかっただろう?」
「ああ……。赤司は……こういう時も、体力あるんだな、ってわかった……」
「まだわかっていないようだね……?」
「いや、ごめん、嘘! ちゃんとわかったから!! ちょっと休ませて……!!」


本当、底なしか!?
だけど、これは、俺相手だから、ってことなんだよな……?
何度も何度も求められる内……さすがに、少しは自分に自信を持ってもいいかと思えてきた。俺のどこに、そんな魅力とやらがあるかは未だに全然わかんねえけど。


「……まあ、わからないならわからないで、安心とも言えるけど」
「安心?」
「いや、いいんだ。光樹は気にしなくていい。……ところで、光樹はいつまで苗字で呼ぶつもりなんだい?」
「え……」
「もう付き合いも長いんだ。そろそろ、お互いに名前で呼び合ってもいいんじゃないのか?」


すっかり『赤司』で呼び慣れてしまったから、今更変えるのは無理がある。……あと、普通に気恥ずかしい。
でも、ここまできたんだもんな……。


「…………せ、征十郎……?」


意を決し、そう口にすると、赤司が一瞬動きを止めた。
と思ったのに、すぐ腕を伸ばし、俺を抱き寄せた。


「やっぱり、少しは自覚した方がいい。……今のは反則だ」
「何が!? って、だから!! ちょっと待てってーーー……!!」


こうして、俺たちの初めての夜は、長い長いものになった。













 

本当スイマセンでした!!!!(スライディング土下座)
キャラとか、あんまわかってないのに・・・。本当スイマセン(滝汗)。

オフ友が赤降好きでして(笑)。そんな彼女から、「自分の方が攻めだと思っている降旗くんがいい!」みたいなシチュを聞かせてもらって。
彼女とはノーマルCPの好き傾向が似てるので、このシチュもすごく気に入ったんですね!で、どうにか夢小説に持っていけないかと思ったんですが、「いや、これはこのまま書くのが一番だ」と思い、無茶しました(笑)。
とにかくベタを詰め込んだ感じで、書いてて楽しかったです♪

('15/11/08)